(写真=Thinkstock/Getty Images)

【連載】「シェアオフィス「Real Woman」の午後」

#03 そろそろ仕事を辞めたいんです

彼からプロポーズを受けたけど…家庭と仕事、どっちが優先?

ここは東京・丸の内の女性専用シェアオフィス、その名も「Real Woman」。フリーランスで働く30代の女性が、日々楽しく、時に騒ぎながら仕事をしています。

パーソナルスタイルストの美幸(31歳)がこのオフィスに入って数ヶ月が経ちました。以前は行政書士の麻衣子(34歳)、イベント企画の理沙(32歳)にフリーランスの後輩として色々な相談をしていた美幸ですが、この頃は3人で情報交換をすることも増えてきた様子。ゆるふわな見た目とは違い、フリーランスとして輝くため、お金や投資のこと、キャリアアップのこと、そして将来のことなど、なかなか戦略的に考えている美幸なのです。

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オフィスには日々、多くの人が出入りします。今日も見知らぬ女性の顔が。 誰かのお客様ではなく、美幸の元同僚の夏未(30歳)です。

美幸:「夏未、紹介するよ。いつもお世話になっている麻衣子さんと理沙さん」

今日もランチタイムが始まり、オフィスのランチスペースにわらわらと人が集まり始めました。 美幸と夏未はその一角にあるテーブルをすでに陣取っています。

麻衣子:「あれ、美幸。そちらはお友達?」

夏未:「はじめまして。美幸さんの元同僚の夏未です。会社では美幸さんの一つ後輩でお世話になっていて」

理沙:「あ~!女社長がバリキャリでブラックなあの会社?」

麻衣子:「ちょっと、それはハッキリ言いすぎ!」

現役社員の夏未と元社員の美幸はバツが悪そうに、苦笑いで顔を見合わせました。

美幸:「夏未、今丸の内の店舗で働いていて。このオフィスから近いので、今日はランチに誘っちゃったんです」

夏未:「三人のランチに参加しちゃって、お邪魔じゃなかったですか? すみません、美幸さんに相談がありまして」

美幸:「私だけじゃいいアドバイスできるかわからないから、よかったら麻衣子さんと理沙さんにも聞いてもらいたいんです」

理沙:「問題ないよ!もちろん私たちも話聞くよ」

麻衣子:「そうそう。一人ランチ仲間が増えて嬉しいわ」

結婚はいいけど、仕事どうしよう

夏未:「ありがとうございます。実は、ありきたりですが、仕事と結婚のことで悩んでいて…」

夏未のこの言葉を聞いて、内心ゲッと思ったのは麻衣子と理沙でした。

会社員からフリーランスに転身し、それなりに成功してきた二人にとって、仕事の相談は得意分野の範疇でしたが、「結婚」となると何せ未経験。

むしろ相手探しの相談をしたいくらいの二人の一方、彼氏のいる美幸には親近感が湧く相談のようです。

夏未:「最近、彼から結婚の話が出まして…。年齢的にもちょうどいいタイミングだし結婚自体にはオッケーしたいなって思うんですけど、ただ、仕事をどうしようかなって…」

女性としてはうれしいはずのプロポーズの話なのに、夏未の顔は曇っています。

美幸:「『どうしようか』…って、結婚して、仕事を辞めようかどうか悩んでるってこと?!」

夏未:「今の会社、激務過ぎて、このまま働き続けるのはキツイって最近思っているんです。だから、私としては結婚して一度仕事辞めたいなって」

理沙:「お相手はどう言っているの?」

夏未:「彼は続けて欲しいみたいなんですよね」

麻衣子:「今のご時世、『自分だけ働くから家庭に入って』ってはっきり言える男性は少ないかもね」

麻衣子の言葉に一同、「確かに」とうなずきました。

美幸:「そうかもしれないですね。それにしても、キャリア志向だった夏未が仕事辞めたいなんて、意外だなぁ」

夏未:「20代は仕事第一でやってきたんですけど、最近はもう一通り経験してきて、『もういっかな』って思い始めたところはあるんですよね」

20代を仕事第一で過ごしてきたのは、美幸や理沙、麻衣子も同じ。30歳を過ぎた頃に思う、「走り疲れちゃった感」はなんとなく分かる気がしました。

理沙:「私の周りでも、結婚して一度仕事辞めちゃう友達多いなぁ。バリキャリの子でも、結婚決まった途端に『家庭も大事にしたい』っていう感じになるし」

美幸:「それはわかります。私も、結婚したら仕事は辞めないまでも、家のこと優先しながら仕事は調整して、もっと心に余裕持って働けるんじゃないかとか考えますし」

仕事と家庭の両立って大変?

結婚,仕事,家庭,両立 (写真=Thinkstock/Getty Images)

麻衣子:「実際のところ、結婚してみないとわからないけどね。両立は結構大変かもよ」

理沙:「雑誌とかで『仕事も家庭も両立!』って感じの記事読むと、こんなに頑張れないよ!って思うことはあるね」

夏未:「私は今の仕事を続けたまま結婚したら、正直、家のことまでやる自信ないです」

麻衣子:「まあ、最近は家事代行サービスもたくさんあるし、そういうのを利用するのも手かもよ?」

理沙:「えっ、まじで!それって安いのかな? 結婚してないけど利用したいわ。ネットで調べてみよーっと」

家事が苦手な理沙は興味津々の様子。

夏未:「まぁ、確かにそれもありですね…。やっぱり、仕事辞めちゃだめですかねぇ。正直なところ、彼のお給料だけでも充分やっていけると思うんですよね」

美幸:「『辞めちゃだめ』っていうことはないと思う。激務の仕事を辞めたのは私も同じだし…」

お金の入り口が一つでは危険

麻衣子:「ちょっと待って。これから先のこと考えると、彼のお給料が絶対に減らないとは言えないよね? 子どもができたら出費だって増えるし。将来のことも今と同じ条件で考えるのは危険なんじゃないかな」

理沙:「そうだよね、まぁ彼氏がいない私たちが言うのもなんだけど」

麻衣子は横目でじろっと理沙を睨みます。

美幸:「確かに、お金の入り口が家庭で一つっていうのはやっぱり不安かも。今は在宅ワークとかいろいろな働き方があるから、そういう選択肢を早めに考えておいてもいいのかな」

麻衣子:「そうそう。あとは自分が働く以外にも、投資とかでお金を運用する方法もあるよ。知っておくだけでも、いざというとき全然違うものよ」

理沙:「調べてみるとわかるけど、ネットで会社員と同じくらい収入得ている人も実はたくさんいるみたいだしね」

夏未:「なるほど…」

美幸:「結婚はゴールじゃないし、今の夏未の年齢で結婚したら、きっと、独身でいた時間より長い年数を夫婦で過ごすことになるよね。家族になることで責任も増えるし、仕事は一度辞めるにしても、これからどうするかってことは早めに考えておいたほうがいいかも」

最近、彼との結婚を真剣に考えている美幸ならではの含蓄のある言葉に、他の三人は少し目を丸くしました。

麻衣子:「あ、もしフリーランスになるなら、また私たちが相談に乗るわよ」

夏未:「それも選択肢の一つですよね。なんか、勇気が湧いてきました!ありがとうございます!」

理沙:「…ということで、独身三人からのあり難いアドバイスでした~」

一言メモ

結婚はゴールじゃない。だからこそ、その先の仕事や収入源については、早めに考えておこう。仕事を続けるのも大いにアリ。

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