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【連載】「わたしがFPになった理由」

第3話 お金の悩みはたった一つに集約される

金融をよく知るFPが語る、人生を幸せにするためのヒント。

「保険はこれほどお客様に嫌わているのになんで売れるの?」。FPの寺野裕子さんはかつて生命保険会社に勤務していた際、このような疑問を抱いていました。疑問を解消するため、FPの勉強を始めた寺野さん。資格取得を通じて気づいたこと、FPとして伝えたいことを紹介してもらいます。

わたしがFPになった理由

私の社会人デビューは1992年20歳の時に地方公務員として徳島県職員でした。その後縁あって2001年、30歳の時に住友生命に入社しました。ファイナンシャルプランニングという言葉、ファイナンシャルプランナーという存在と出会ったのはその時です。

営業経験も金融知識もないままの状態での金融会社への就職でした。「保険会社の営業」というものに対して漠然とですが良いイメージを持っていませんでしたが、それでも保険営業を頑張ろうと覚悟をして入社しました。

不平不満を持ちながら高い保険料を払う客たち

 保険の契約をいただくためには営業活動をしなくてはいけません。意外と皆さん快く私の挨拶に応対していただけるのですが、ひとたび保険の話になると「保険なんかもう要らない!」「保険にはひどい目にあった!」という、これまでの保険会社との関わりで生じた不平不満の嵐です。お伺いしますと、皆さん不平不満を持ちながら、何故だか高い保険料を払い続けているのです。

不思議でした。この世の中で、これほどお客様に嫌われながら、しかも、お客様の納得がいかないにもかかわらず、料金をいただくことのできる商品があるのかと…。

そこで私は決意しました。「こうなったら私が勉強をして、お客様に納得して選んでいただけるような提案をしてやろうじゃないか!」、と。本気で「保険業界の悪い体質を私が変えてやる!」と思っていました。今もその気持ちに変わりはありませんが…。

そこで、金融知識を身につけるためファイナンシャルプランナー資格に挑戦し、5年後に国家資格FP技能士1級を取得しました。

知らないうちにお金で「失敗」していた

「保険業界を私が変えてやる!」なんて勢いよく言っていた私ですが、FP資格取得のための勉強を重ねるにつれて、これまでお金の知識を持っていなかったばかりに自分自身が多くの無駄につながる失敗をしていることに改めて気づかされることになります。

例えば、公務員として就職した後、本当は必要ないのに3000万円の死亡保障保険に加入していました。子どもへの過剰な習い事への支出(ピアノ・水泳・テニス・英会話等々)によるキャッシュフローの不合理性、計画性なく挑ませた子どもの中学受験のための費用、共働き時の高世帯収入に甘えた支出増による貯蓄性向の低さ…等々、例を挙げるときりがないくらいです。

本当に改めて私自身の失敗を並べ立てみますと恥ずかしい限りですが、今の私であればこれらの事例があった場合、事前に判断できてしまいます。

大抵のことは後々の資産形成への悪影響を考えれば回避できますし、「知っている」「知っていない」だけの違いで馬鹿げた無駄な出費をすることはなかった、ということもあります。  

FPとして独立開業後、最初のお客様は私自身

2008年4月に、ファイナンシャルプランニングオフィスを開業し、今も生涯を通したお客様の資産形成のお手伝いをさせていただいています。

開業後、第一号のお客様は私自身でした。支出計画を立て、収入を確認し、自身に最適な運用方針を決定し、ファイナンシャルプランニングを作成、実践しています。これまでの失敗分は余裕を持ってカバー出来ています。

私の場合、FP資格を取得し、自らが実験台になりファイナンシャルプランニングを実行しなければ生涯収支は大きくマイナスになっていた可能性があります。

お金の悩みはたった一つに集約される

FP, 資格, 生命保険, 教育, ファイナンシャルプランニング (写真=Thinkstock/Getty Images)

FP資格を取得して分かったことがあります。当初は「保険業界を私が変えてやる!」との想いもあってスタートした金融の勉強ですが、保険は保険だけの問題ではないということです。

保険の見直し、住宅購入、教育資金準備、資産運用、家計見直し等々、皆さんの様々なお金のお悩みには何かしらのきっかけがあるかと思いますが、きっかけ、入り口は何であれ、突き詰めると悩みは一つとなります。「今後、今の収入と資産でやっていけるのか」という問題なのです。

第一歩として始められる「お金」のこと

その問題を解決するために必要なのが「ファイナンシャルプランニング」の実行です。お金の計画作りですね。

手順は

  1. 今後の支出を確認
  2. 今後の収入の確認
  3. 現在の金融資産残高の確認

の3ステップから。①の皆さんがやりたいこと(=ライフプラン)が、②収入と③金融資産の範囲内でやっていけるのかを知る作業になります。この3つの基本ステップはとても大切なので是非実践していただきたい第一歩です。もしやっていけないという答えが出た場合には、何かしらの対策を講じなければいけません。

ゆとりあるマネープランを

ファイナンシャル・プランニングをすると、

  • どれくらい節約すればいいのか?
  • 傷病時の医療費、もしもの時の生活費はどれくらい保険でカバーすればいいのか?
  • 無理のない保険料はいくらなのか?
  • どれくらい収入が必要なのか?
  • どれくらいの目標で運用をしていけばいいのか?

などの具体的な対策が見えてくるかと思います。

当初は「保険業界を私が変えてやる!」との想いでスタートした私ですが、現在は「ファイナンシャルプランニングを通して日本人全ての方がゆとりあるマネープランを持てるように!」と想いは変化し、日々活動させていただいています。

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