
(写真=Thinkstock/Getty Images)
恋も株も「損切り」が大切な理由
株との付き合い方は、実は恋愛と同じメカニズムだったりするんです。
株取引にはその人の性格や特徴が出やすいと聞きます。著者も株取引を10年近くしていて、外れてもいないと感じています。更に、株取引をしながら、株と恋を重ね合わせて考え、タイミングよく「損切り」することも大切だと感じたりしています。その理由をご説明します。
「損切り」って何?恋人に別れを告げる感じ?
「損切り」というのは簡単に説明すると、抱えている損をそれ以上大きくしないために、損をしたまま決済することです。
たとえば、昨日A社の株を1株5万円で買ったけれど、今日は4万9千円になってしまいました。このままA社の株を持っていたら、明日はもっと下がり、明後日は更に下がるかもしれません。そうなる前に、損を覚悟で売ることを損切りと言います。もうそれ以上、損失は膨らみませんので安心です。
これは、イマイチな恋に別れを告げる感じに似ているかもしれません。別れは辛いけれど、そのままにしておくと時間がもったいないので別れを告げるという感じです!
損切りは早いほうがいいの?
株式投資に損切りをしなければだめなのかどうかと聞かれると、著者は「必要だと思う」と答えます。理由は以下の通りです。
- 他にいい銘柄が出てきても、含み損を抱えていたら資金不足で投資できない
- 含み損が更に膨らむもしれない
- 倒産により上場廃止になり、株は無価値になってしまうこともあるから
このように、損切りをしないというのはリスキーですよね!
株取引を恋にたとえると?
特定の株の銘柄を「気になる人」としましょう。あなたはいつの間にか、気になる人ができたとします。気になって、ついつい追跡してしまいます。
その後、ラッキーなことに気になる人とお付き合いがスタート! これはその気になっていた銘柄の株を売買の成立に当たります。ちなみに、株は最初の段階で買うだけでなく、空売りと言って、売ることから入ることもできます。
ところが、付き合い始めるとイマイチで、どんどん失望してしまうこともあるものです。実は彼はとても浮気者だったとか、大切なことが合わなかったとか、ギャンブルに狂っていて借金だらけだったとか理由は様々でしょう。
これは株取引でいいますと、買った時よりもどんどん含み損が増えてきて、その銘柄を持っていることに魅力がなくなる状況に似ています。
段々と損が大きくなって、もう手放したくなって切り出す「わかれ」は株取引では損切りになります。
損切りをしたら普通の個人投資家でも勝てる?
株はリスクの高い金融商品ですから、簡単には勝てないことも多いです。損切りをしたからと言って、すぐに勝てるわけではなく、「損切り貧乏」になることもあります。
しかし、元の株価に戻るのを祈ってずっと損失を抱えながら待っていても、元の株価にならなければ、勝つことは永遠にありません。はやめに小さな損切りをしておけば、挽回の可能性を高くできます。恋愛もはやくタイミングよく損切りをすると、失う物を少なくできる可能性は上がるでしょう。
損切りのタイミングは本人の意思
株取引ではある時突然、大きな含み損ができる時があります。著者がこの10年で取引したことのある銘柄には上場廃止になった物もあります。NISグループ、ライブドア、スカイマークなどです。
大きな損切りは東日本大震災の日、東京電力株を数株持っていて、これを損切りしました。悩みましたが、相談できる人はいないものです。株取引をしている人も、それぞれ資金力も価値観も違うからです。
5百万円の余裕資金がある人と、「あと50万円が資金力限界」という著者とでは金銭感覚が違います。これも恋に似ていますね。価値観は人によって違いますから、自分のことは自分でなければわからないことが多いです。自分で決めるしかないのです。
株取引も恋愛も、損切りをするかしないか、するならどのタイミングでするかは本人の意思にゆだねられています。
他にも良い銘柄がすぐに見つかる
損切りは損失をできるだけ小さくするだけでなく、時間を無駄にしないという意味でとても大切でしょう。より自分がハッピーになる可能性を少しでも多く残すため、その時は辛くても決断が必要な時もあります。
最終的に決めるのは自分です。株取引も恋愛も、損切り後、すぐにビッグチャンスがやってくるかもしれませんし、しばらくはツキがないかもしれません。もっと素敵な夢を見るためにはお別れも必要だと思いますが、そのまま耐えるという選択もあります。ただし、株の場合、他にも良い銘柄がすぐに見つかることはお伝えしておきましょう。