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難しい話ナシ! これでわかる保険の選び方

「どんな保険に入ったらいいの?」に専門家がSTOP!

保険は必要ないという選択肢を持つ

テレビなどでは生命保険のCMがよく流れていますね。「どんな保険に入ればいいのか?」「とりあえず保険に入っておきたいのだけれど何がいいの?」といった相談を受けることがあります。

そんな時私は、「ちょっと待ってくださいSTOP!」と言います。「どの保険を選ぶ」というのは「保険に入る」ということが前提条件になっています。スタートが違います。

まず、保険が「必要か」「必要でないか」をもっとよく考えてみましょう。

保険は本当に「お守り」ですか?

そもそも、生命保険とは、万が一の時の経済的損失をお金で補うものです。それ以上でも、それ以下でもありません。困ったときに慰めたりはしてくれませんが、いざという時のために「お金」という解決策を用意しておくのが、保険の役割なのです。

日本人は、「安心」とか「お守り」と言った情緒的な感覚で保険を捉えている面があります。 でも、それはちょっと違いです。

つまりもっと経済合理性で保険を考えて見ましょう。もちろんメンタルの面も大切で、否定はしません。「お守り」も必要ですが、その「お守り」のために何百万円も払っていることを考えてください。それは損をしています。

保険の必要・不要を見分ける方法

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たとえば20代、30代の独身で、扶養家族がいない場合。もし万が一にあなたが死亡したときのリスクを考えて見ましょう。

両親、恋人を含め、悲しむ人は多いと思います。しかしあなたが死んだことによって経済的に困る人はいるでしょうか?

もし、いない場合には、死亡保険に入る必要はありません。あとで、詳しく述べますが、医療保険も同じです。高額療養費があるので、入院をしても月9万円以上はかかりません。ある程度預金があれば、医療保険は必ずしも必要ではありません。

ですからどの保険に入ろうではなく、まず「保険は必要か?」という選択肢を持ってください。

保険を知るには家計の心配事を知ろう

人生の中には、いろんな心配事(リスク)はありますね。投資の世界でもリスクコントロールは大切ですね。では、「家計のリスクコントロール」を考えたことはありますか? 

病気になった。がんを宣告された。入院が長期になった。家族を残して亡くなったという場合は、お金が必要になります。かといって、すべてのリスクに保険を掛けるのはナンセンスです。保険料の支払いで家計が圧迫されてしまっては、本末転倒になりますから。

アンジェリーナ・ジョリーに学ぶ!家計のリスクコントロール

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自分にとって本当に必要な保険は何かを見極めるのが、家計のリスクコントロールなのです。 家計のリスクコントロールとは、「リスクの転嫁」「リスクの保有」「リスクの軽減」の3つに分けて考えます。

「リスクの転嫁」

転嫁とは、移し換えることです。自分ではどうしようもないことを人任せにしようと言うことです。

たとえば、小さい子どもを残して亡くなった場合などがそれに当たります。残された家族の生活費や子どもの教育費は、将来にわたって何千万円のお金が必要になります。公的な保障では遺族年金などがありますが、とても足りません。損失が大きすぎて一人の力では対処できないようなリスクです。保険を使って「リスクの転嫁」を利用しましょう。

「リスクの保有」

頻繁には起きないが、たまに起きる可能性はあり、損失は中程度のリスクに対しては、「リスクの保有」を考えて見ましょう。ちょっとした入院などが、これに当てはまります。

数日間の短期入院ですと、それほどの経済的な負担にはなりません。20万円程度の蓄えがあれば、たいていの場合はまかなえると思っていただいても大丈夫です。その程度の金額であれば、預金でなんとかなるのではないでしょうか? つまりわざわざ医療保険に入る必要はないと思います。こういった場合は、「リスクの保有」で対処してください。

「リスクの軽減」

経済的損失は、できれば避けたいことですね。日頃からそうした損失を起こらないように、また、起こってしまった場合にも最小限のダメージのとどめておくことが「リスクの軽減」です。

たとえば、病気のリスクがあります。医療費もそうですが、体調不良による仕事への影響まで考えると大きなリスクになります。でも、日常的に運動をしていたり、バランスのいい食生活や食べ過ぎに気をつけていることで、健康を保つことで医療費などの支出を防ぐことができます。

アメリカの人気女優アンジェリーナ・ジョリーが「将来の乳がん発症を予防するための乳房の切除」を告白し、ニュースになったことがあります。これについては賛否両論がありますが、ひとつの「リスクの軽減」と言えるでしょう。

貯蓄をしておくのも大切

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ある程度の経済的損失に対処するために、貯蓄をしておくのも大切です。基本的に貯蓄が十分であれば、保険は必要ありません。

貯蓄は、どんなことにでも対応できるからです。保険で備えてしまうと、医療保険は入院・手術など、その用途は限定されます。

預金などの場合は、両親の介護とか、まとまったお金が必要になった時とか、叔母の介護で遠距離を移動しなくてはいけない場合とか、どういった目的にでも使えます。

家計のリスクコントロールを考えると必要な保険が見えてきませんか?

賢い人は「貯蓄性のない保険」を選ぶ

「掛け捨ての保険」というと損をしたという「イメージ」が強いのではないでしょうか? でも、それは勘違いです。実は戻ってくるお金(貯蓄性がある保険)の方が損をしています。

今はマイナス金利の時代です。銀行に預けておいても増えません。では、保険はどうでしょうか? 予定利率は1%です。しかし支払った保険料のお金がすべて運用されているわけではありません。契約者に支払う責任準備金や保険会社の運用経費などが差し引かれた金額が運用されているのです。

しかも、保険は超長期の固定金利なのです。保険は、30年、40年など長期にわたって支払い続けます。30年、40年の間に金利がどうなるかは全然わかりません。

しかも、インフレになるとお金の価値が下がってしまいます。例えば、2%の物価上昇が35年続いた場合、お金の価値は半分になってしまいます。

するとあなたが、お葬儀代と思って300万円の死亡保険に入っていたとしても、35年後には葬儀費用は600万円かかるのに、半分の費用しか用意できないということになります。

つまり、マイナス金利の時代、貯蓄性のある保険のメリットは薄れているというべきでしょう。

逆に「掛け捨ての保険」は、貯蓄性のある保険に比べて保険料もぐっと安くなります。 マイナス金利もあまり影響は受けません。また、掛け捨てで一定期間の保障があるのは「定期保険」とか「収入保障保険」です。これらの保険は、保険料も安いのでオススメです。

保険料が半額に? コスパがいい◯◯型

保険料をもっと安くしたい場合は、リスク細分型の保険がオススメです。リスク細分型の保険とは、自動車保険の例でいうと、走行距離とかゴールド免許ならば割引があるのと同じです。生命保険も健康な人には、保険料が安くなるという設定があります。

もしあなたがタバコを吸わない非喫煙者で、血圧、BMI値など健康に自信があれば、リスク細分型の保険がオススメです。補償内容は同じでも、喫煙で、血圧などが高めの人に比べて、保険料が最大52%も安くなる保険もあります。これを利用しない手はありません。

まずは、一度見積もりをしてはいかがでしょう? 案外、今入っている保険より安くなるケースもあります。

喫煙者でも、1年以上禁煙をしていれば入れます(保険会社によっては2年以上)。これを機会に禁煙に挑戦をして、保険に入るのもいいのでは。

「医療保険がなくても大丈夫」という、これだけの理由

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医療保険に入ろうと思っている人は非常に多いのですが、実は医療保険というのは、あまり必要ではありません。というのは入院や手術をした場合でも、それほど高額な出費にはならないからです。

日本では、ほとんどの人が健康保険に加入をしています。健康保険には「高額療養費制度」があり、どんなに高額な医療費がかかったとしても、ある一定の額以上のお金は支払わなくてもよいことになっています。

つまり、入院と手術で100万円かかったとしても、通常3割負担ですから33万円。さらに高額療養費制度を使うと、月に約9万円以上はかからないのです(月額報酬28万円〜50万円までの場合。収入によって金額が違います)。9万円を超えて支払った分のお金は戻ってくるのです。

もし、事前に入院がわかっている場合は「限度額適用認定証」を発行してもらえば、病院の窓口で支払う金額は、適用を受けた金額のみを払えばいいわけです。

それほど大きな負担ではないはずです。これならば、ある程度の預金があれば対応できますね。

保険のパンフレットに書かれた数字を鵜呑みにしない

保険のパンフレットには、平均入院日数30日。手術プラス入院日で、○万円とあります。 この数字は、公的な統計の数字で正しい数字です。

でも、ちょっと細かく見ていくと、違った数字が見えてきます。平均入院日数は30日ですが、15歳〜34歳の平均入院日数は12日、75歳以上の平均入院日数は47.6日です。若い人の方が入院日数も短いですね。保険料も当然やすくなります。

一方、こう言ったデータもあります。4日以内に退院した人が、約33.3%、7日以内に退院した人は48.7%です。つまり、2人に1人が1週間以内に退院しているということです。

がんの場合でも、入院や手術をせず、通院で治す人も多くなっています。これは一つは医学の進歩によるものと、厚生労働省の入院の短期化を推進しているためです。

医療保険に入っていて儲かったというのは、勘違い

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例えば、医療保険に入っていて、腸閉塞で5日間入院、手術はなかったとします。医療保険から入院給付金日額5000円が5日間でました。受け取った金額は合計で2万5000円です。

そこで、「医療保険に入っていてよかった!」と思うのは、大きな勘違いです。冷静になって考えてみてください。月額の保険料が2500円だとしたら、1年間で3万円の保険料を支払っています。その保険料を積み立てていれば、プラス5000円になっていたということです。これでも、得したと思いますか?

「でも、長期に入院することになったらどうすればいいの? それが心配!」

確かに、脳血管疾患は平均89.5日の入院を余儀なくされます。統合失調症の場合は入院が1〜2年に及ぶ場合があります。そうなったら困った事態です。

しかし、今販売されている医療保険の多くは、60日型が多くなっています。長期入院には対応していないのです。また、長期入院に対応しようとすると保険料もぐっと高くなってきます。 では、どうすればいいのでしょうか?

安心してください。会社員の人は、病気やケガで仕事を休んだ場合、「傷病手当金」があります。標準報酬日額3分の2に相当する金額が最長1年半にわたって支給されます。

また、障害者の認定を受けると厚生年金保険と基礎年金の両方から障害年金を受け取ることができるのです。

がん保険を選ぶポイント!「診断一時金」を重視

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がん保険も勘違いしている人が実に多いのです。「がん」だから特別に医療費が高くなるということは、ありません。テレビのCMで先進医療が300万円かかるというイメージが先行しているので、医療費が高いと思っているだけです。

他の治療と同じく高額療養費制度が使えるので、通常の収入の人は、月額9万円以上の医療費はかかりません。先進医療の粒子線治療を受けると確かに200万円〜300万円は必要になってきますが、全国で実施されている数は年間に約4500件ぐらい(重粒子線治療と陽子線治療合計)で、全体の割合から見ると非常に低いです。自分で積極的に動かない限り先進医療は受けることができないのです。

とは、言っても「がん」の場合は、治療費だけではなく精神的な負担とか、仕事を続けることができなくなってしまうという、経済的な負担が大きくなることも考えられます。ある程度の保険での備えも必要になってきます。

先ほども述べた通り、「がん」の治療は入院も手術もないという場合が増えてきています。 がん保険もそれに合わせて変化しています。がん保険は、診断一時金を中心に考えたほうがいいでしょう。

がん診断一時金というのは、がんと診断されたら100万円などと一時金が出るタイプです。 ここでの注意点は、がんは「上皮内新生物」と「悪性新生物」の2種類あるということです。 「悪性新生物」は診断一時金は出ますが、「上皮内新生物」の場合は、診断一時金が出なかったり、診断一時金の一部が受け取れる場合があります。

「上皮内新生物」の場合は、さしあって命の危険はありません、転移することもないので簡単な手術なでも治療できて、治療費もそれほどかかりません。ラッキーと思っていただいた方がいいでしょう。

具体的にどんな保険を選んだらいいのか?

いろいろ保険を選ぶポイントをお話ししてきましたが、具体的にどんな保険がいいの? という疑問が残ったのではないでしょうか?ズバリ、お答えしましょう!

子どもがいる人の場合

お子さんがいる場合には、死亡などのもしもの場合、そのリスクは大きなものになります。ですから、死亡保険に入っていた方がよいでしょう。

その死亡保険は、貯蓄性はなく掛け捨ての保険、しかも一定期間の保障があるもの。そうすることによって保険料を安く抑えることができます。高い保険を払う必要はまったくありません。コスパで保険を選んでいいと思います。安い保険料で大きな保障を買えるのは、実は掛け捨ての定期型なのですから。

子どもがいない、若い人の場合

若いうちは、保険にお金をかけるよりも自分の教養を高めるための投資の方がリターンが大きいと考えられます。ですからもっと自分のために投資をしていきたいですね。そのためには、保険も高い必要はありません。定期保険とか、収入保障保険がお勧めです。

具体的には、オリックス生命とか損保ジャパン日本興亜ひまわり生命などの商品を検討されてはいかがでしょうか。

具体的に商品を選ぶ場合に参考になるのは、保険のランキングの本です。とくに広告の入っていないランキング本を選ぶことが重要です。

「別冊宝島 よい保険・悪い保険」を参考されるといいでしょう。この本は、ファイナンシャル・プランナーのアンケートを元にランキングしている本で、バランスのいい保険が上位に入っています。この本を参考に保険選びをしていただきたいと思います。

30代の女性にとって、超コスパのいい保険とは

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30代の女性にとっていい保険とは何でしょうか? これまでご説明した通り、高い保険料を払って、いろんな保障をつける必要はまったくありません。その分、自分のキャリアとか知識に対して投資をしたり、貯蓄の方にお金を回したほうがいいです。

「でも、やっぱり心配」「といっても“安心”をしたいという人」には、都道府県民共済がいいと思います。月2000円の掛け金で、死亡保障、入院保障が付いています。また、割り戻し金があり、例えば東京都の場合32.64%の割り戻し金がありました(2014年)。実質の金額は月に1347円です。コスパはいいですね。ただ、死亡保障は少ないので、お子様がいる家庭では、生命保険を使って上乗せをする必要があります。

また、楽天生命の「スーパー2000」という保険があります。これは、死亡保障、医療保険、がん保険が、だれでも月額2000円の保険です。1年間入院しなかったら、健康祝い金を毎年受け取ることができます。たとえば20歳〜39歳までの女性の場合は、5000円分の楽天スーパーポイントを受け取れます。

つまり、月額約1583円の保険料です。それに保険料は、楽天カードを使うとポイントがつきます。コスパがいいですね!

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