(写真=Thinkstock/Getty Images)

【連載】「シェアオフィス「Real Woman」の午後」

#01 キャッシュポイントは1つじゃ危ない?

30を過ぎてもなぜか独身の3人。自分のキャリアや恋愛・結婚、そして将来のお金……。悩みや不安がつきない日々。

ここは東京・丸の内の女性専用シェアオフィス、その名も「Real Woman」。フリーランスで働く30代の女性が、日々楽しく、時に騒ぎながら仕事をしています。

美幸(31歳)は最近、このシェアオフィスに入ったフリーのパーソナルスタイリスト。 お客様の笑顔を見るのが何よりものやりがいで、天職だと思っていますが、「このままフリーランスでやっていけるかな」とぼんやり不安も感じています。

そんな美幸が頼りにしているのが、同じシェアオフィス内で働く行政書士の麻衣子(34歳)と、イベント企画業の理沙(32歳)です。美幸がこのオフィスに来てからというもの、3人は毎日ここでランチを共にしています。

30を過ぎてもなぜか独身の3人。自分のキャリアや恋愛・結婚、そして将来のお金……。悩みや不安がつきない日々。「どうしたものか」と時に諦めも交じった会話が繰り広げられます。 

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「代理母出産すればいい」

正午を回ると、いつものようにランチ兼異業種交流が始まり、オフィスのランチスペースは賑やかになります。

麻衣子:「そう言えばさ、美幸ってどうして独立したの?」

麻衣子が美幸に話しかけました。 麻衣子はこのことがずっと気になっていました。茶髪にゆるふわパーマをあてている美幸。人を見た目で判断するのはよくないと分かってはいても、ちょっとフリーランスでやっていくには頼りないような気がしていました。

美幸:「フリーのスタイリストになりたいっていう夢もずっとあったんですが、実は前職の会社がけっこうなブラック企業で…」

理沙:「ブラックって、どんな?」

”ブラック企業”という単語に反応したのは、何事にも好奇心旺盛な理沙。

美幸:「社長が女性だったんですけど、とにかくデキるバリキャリウーマンで…。男性と同じように働けないとダメっていう感じで仕事もないのに毎日23時半を回らないと帰れなかったんですよ。ここにいたら結婚もできないなって」

理沙:「最近の女性活躍って、なんかちぐはぐな感じするよね。奥さんに家事も子育ても全部任せてきた男性と同じように働くのが女性の社会進出なのかな」

麻衣子:「そう言えば、某有名総合商社で働いてる友達が、仕事を辞めないと結婚も出産もできなさそうって愚痴をこぼしたら、男性上司に『代理母出産すればいい』って言われたらしいよ」

美幸:「はぁ!?」

麻衣子:「私もその話を聞いたときは、『女性活躍もこじらせるとこうなるんだ』って思って寒気がしたよ」

フリーランスも楽じゃない

理沙は、毎日持参しているお弁当のウィンナーにグサっとフォークを刺した。

理沙:「まぁさ、会社員もいろいろ大変だと思うけどフリーランスも楽じゃないよ。とにかく自分が働かないとお金が入ってこないんだからね。このままじゃ結婚もできなさそうだわ」

麻衣子:「理沙の場合、働いた先から全部旅行に使ってるけどね…。それに結婚もどうでもよさそうな感じ」

大きな仕事が終わると海外リゾートへ出掛け、現地で散財するのが「ルーティン」になっている理沙は引きつり笑顔になりました。

File.1 キャッシュポイントは1つじゃ危ない? (写真=Thinkstock/Getty Images)

理沙:「ま、まぁね…。今は仕事が楽しいし、あんまり先のことは考えたくないかな。 でも、ずっとこのままでいいとは思ってないよ。『もし仕事が来なくなったら?』って考えると、実はすごく怖い」

美幸:「そういえば、この間異業種交流会で知り合ったフリーランス仲間が、『私たちみたいな働き方をしていたら、収入源は一つじゃ危ない』って言ってました」

麻衣子:「その通りかもね。むしろ、国や会社だって『あとは自分たちで何とかして』っていうご時世。確定拠出年金が注目されてたり、兼業OKの企業が増えてるのを見ると、何の後ろ盾もない私たちフリーランスなんて、よほど備えておかなきゃって思うわ」

独身で収入源一つは一番危ない?

美幸:「そうですよね。実は私も、スタイリング以外にも何か兼業しようって思っていて」

理沙:「へぇ、見た目ゆるふわなのに意外とちゃっかりしてるんだ!」

美幸:「…シッカリって言ってください」

麻衣子:「でもそうよね。結婚してて共働きでダブルインカムなら、最低でもキャッシュポイントは2か所でしょ? 独身・フリーランスの私たちなんて、収入源一つじゃ一番危ない属性じゃない?」

美幸、理沙:「………」

理沙:「とりあえず、何から始めればいいの?」

美幸:「収入源が複数であることと、それに加えて金融商品とか始めてみる、って感じですかね」

麻衣子:「そうね。自分が働くと同時に、お金にも働いてもらう。さらには、分野の違う業種でキャッシュポイントを複数作っておく。サイドビジネスを持つって感じね」

子どもができても続けられる仕事を

File.1 キャッシュポイントは1つじゃ危ない?② (写真=Thinkstock/Getty Images)

美幸:「結婚して子どもができたとしても続けられる仕事が一つあるといいですよね〜。家でできる仕事…たとえば、ネットを使った作業とか。会社員でもネットで週末起業とかよく聞きますもんね」

理沙:「ゆるふわちゃんなのに、本当ちゃっかりしてる!」

美幸:「だからシッカリですって…」

理沙:「ところでさ、さっき麻衣子が言ってたきゃ…きゃきゅてい…?」

麻衣子:「確定拠出年金。老後資金を自分で用意するための制度よ。節税効果もバツグンだし、企業年金がない私たちこそ活用しなきゃね」

理沙:「へぇ、詳しく教えて…あ、もうお昼終わりだ」

気が付くと、ランチタイムは終了。3人はそれぞれ自分の仕事に戻りました。おしゃべりの続きは、翌日のランチタイムへ持ち越されるようです。

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一言メモ

会社員もフリーランスも、それぞれに仕事の大変さがある。しかし、今のご時世、キャッシュポイント(収入源)が1つでは危ないのは共通事項らしい。

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