こんにちは!元キャバ嬢のゆきです。
今回は水商売の中でもちょっとわかりづらい「ラウンジ」について。
あまり夜の世界に馴染みがない人からすれば、キャバクラやガールズバーはなんとなく分かるけれど、ラウンジは一体なんなのかよくわからないと思います。
わたしはキャバで働いていた頃、ラウンジのお手伝いに行っていたこともありますので、そのお仕事内容についてキャバクラと比較しながら解説していきます。
ラウンジとは?
ラウンジは、スナックとクラブのちょうど中間くらいに位置する夜のお店です。キャバクラのように華やかな店舗でありながらも、スナックのようなアットホームさも適度に持ち合わせているのがラウンジの特徴と言えます。
私自身、実際に自分がラウンジのお仕事をお手伝いするまでラウンジは未知の世界でした。
短期間ですがラウンジで実際に働いてみて分かったことは、クラブほど高級でかしこまった雰囲気や営業スタイルではないものの、お店の内装・働いている女性の服装・来店する客層などが、スナックよりも豪華でラグジュアリーな場所ということ。
ラウンジの店内のレイアウトは、カウンターとテーブル席の両方があるお店と、テーブル席のみのお店があります。基本的にはキャバクラのような一対一の接客ではなく、そのテーブルに着いている全員で会話を楽しみます。
他にラウンジの特徴としては、スナックやクラブと同じくママが店を切り盛りしている点にあり、お店によってはチーママも在籍しています。
ラウンジとキャバクラの違い
ここからはラウンジのシステムについて、キャバクラと比較しながら解説していきます。
料金システムの違い
料金に関しては、キャバクラがセット料金なのに対して、ラウンジは席代を設けているところに違いがあります。
席代というのは、入店して席に座った時点で発生する料金のことで「チャージ料」とも呼ばれます。席代にお酒の料金は含まれていないので、お客様の支払う金額は「席代+お酒代」ということになります。
ラウンジでは席代という料金システムで営業しているお店と、キャバクラと同じようにセット料金で営業しているお店の2パターンがあります。どちらかというと、席代で営業しているラウンジの方が多い印象です。
ちなみにセット料金は、例えば50分7,000円といったように、時間ごとに支払う料金システムです。セット料金はこの金額の中にハウスボトルといってお酒代も含まれているので、セット料金の方がリーズナブルな価格設定で楽しむことが出来ます。
接客スタイルの違い
接客スタイルでいえば、一対一の接客が基本のキャバクラに対して、ラウンジではグループで話すという違いがあります。
ここがラウンジとキャバクラの大きな違いかと思いますが、ラウンジはそのテーブルに着いている全員でトークを楽しむのが基本です。ベテランのお姉さんと一緒に接客をする形になるので、先輩のトーク術や気遣いを間近で学ぶことができます。
私自身もラウンジにお手伝いしに行った時、30〜40代のホステスさんの仕事術を目の前で見ることができて、本当に勉強になりました!
服装の違い
働く嬢の服装については、キャバクラよりもラウンジの方が基本的にカジュアルです。
私のお手伝いしたラウンジには、キャバ嬢と同じようなドレスを着ていた女の子もいましたが、基本的にはデートやちょっとしたパーティーに呼ばれたときのワンピースやスカートの装いで働くことが多いです。
ヘアセットもキャバ嬢ほどの華やかさは求められません。ある程度年齢を重ねたホステスさんの中には、着物姿で接客している方もいらっしゃいました。
この辺りも、やはりスナックとキャバクラの中間くらいのイメージだと感じます。
キャストの年齢層の違い
キャバクラでは基本的に若さを求められますが、ラウンジにはさほど年齢制限のようなものはありません。
キャバクラに比べ、ラウンジで働いている女性の年齢はかなり幅広いです。もちろん18歳〜20代の若い女性もたくさん働いていますが、30代〜の女性も十分に活躍できるのがラウンジの仕事です。
ママになると50代〜それ以上の年齢の女性もいますので、長く水商売をする方が最終的に落ち着く先とも言えるかもしれません。
客層の違い
キャバクラは若いサラリーマンなども利用しますが、ラウンジはどちらかといえば年配の重役や経営者層が多い印象です。
これは実体験ですが、私がお手伝いに行ったラウンジは会員制と銘打たれていることもあって、大手企業の重役の方、政治家、お医者さん、お坊さんなどが常連のお客様でした。(そのとき勤めていたキャバクラとは比べ物にならないほどのハイレベルな客層に驚きました……。)
席代を採用している料金設定は決してリーズナブルではなく、30代以上のホステスさんも多く勤めていたこともあり、若いお客様は少なかったです。
たまにいらっしゃった若いお客様は、社会勉強として上司に連れられて来た方や、会社の経費で接待として取引先を連れてきた方でした。個人的な印象かもしれませんが、若いサラリーマンはラウンジの雰囲気よりも、キャバクラやガールズバーの方が楽しめるのかなと思います。
ラウンジの仕事内容
ラウンジで働くとどんなお仕事をするのか、基本的なお仕事内容について解説していきます。
18時くらいの開店に合わせてスタンバイ
ラウンジに勤める場合、スナック勤務のように開店前のお通しを作ったり、グラスを拭いたりといった細々とした仕事をする必要はありません。しかしその代わりに、開店前にある程度ドレスアップやヘアセットが必要となってきます。
とはいえキャバクラほどのドレスアップは求められないので、その点ではキャバクラよりは楽です。デートやパーティーに呼ばれたときの服装で大丈夫です。私のお手伝いしたラウンジでは、ラフな服装で出勤して、お店で着替える女の子も多かったですよ。
キャバクラと同じようにラウンジも同伴があり、お店によっては月に同伴を何回しなければいけないといったノルマが設定されている場合もあります。
お客様の隣に座って接客
テーブル席でお客様の隣に座って接客するのはキャバクラと同じですが、一つ大きな違いがあります。キャバクラのようにキャバ嬢とお客様の一対一で話すのではなく、そのテーブルに着いている全員でお話しを楽しむのがラウンジの特徴です。グループトークで盛り上がる感じと言えばいいでしょうか。
その他の仕事内容は、お酒を作ったり、グラスの水滴を拭いたり、タバコに火をつけたりと、キャバクラと一緒です。お客様にお酒をすすめられた場合は一緒に楽しく飲みます。
指名や担当の制度が少し特殊
ラウンジには、キャバクラ同様に「指名制度」も存在しますが、基本的には永久指名(担当制とも呼ばれます)というものが採用されており、指名する女の子をコロコロ変えるのが難しいという特徴があります。
私のお手伝いしにいったラウンジは、指名を変えることは出来なくもないのですが、キャバクラより気軽には出来ない雰囲気でした。
お手伝いの際に、自分を担当してくれている女の子とは別の子を気に入った男性客が、担当の子の休みの日にコソッと来て、気に入った女の子をつけてもらっているのを目の当たりにしたことがあります。(悪いお客様ではないので、しょうがないねという感じで黙認されていました)
ちなみに担当は、初来店の日にその子が接客したという理由で決まることがあれば、ママの采配で「あのお客様とあの子は気が合いそうだから」という理由で決められたりします。
たまにカラオケをすることも
ラウンジの中には、カラオケを設置しているお店もあります。お客様が好きな歌を歌ったり、女の子だけで歌うこともあれば、デュエットで盛り上がることもあります。カラオケの置いてあるお店で働く場合、昭和の歌謡曲や平成初期の流行曲を覚えておくと、お客様に喜んでもらえることでしょう。
とは言え、ラウンジはカラオケよりもお酒とトークを楽しむお店です。カラオケの設置してあるラウンジに遊びに行ったこともありますが、ずっと熱唱しているようなお客様は居ませんでした。
お客さんへの営業もある
ラウンジはキャバクラと同じく、プライベートを割いて営業LINEや電話をする必要があります。
絶対に連絡先を交換しなければいけないということはありませんが、成績を上げて本格的にラウンジで稼ぎたい場合は必須ですし、営業を行うと当然ながらママは喜びます。
営業後のアフターがある場合も
ラウンジはキャバクラと同じように風営法に則って営業しているため、0時(地域によっては1時)に閉店となります。
閉店後の送迎の有無、送迎がない場合はタクシー代が支給されるか否かはラウンジによって異なるので、正式に在籍する前に確認しておきましょう。
またラウンジでは、キャバクラと同じようにお客様とのアフターがあります。営業後すぐ家に帰る日ばかりではなく、時にはアフターでお客様とお付き合いをするのも、ラウンジ嬢に求められます。
ラウンジで働く注意点
最後に、ラウンジで働くときに注意したいこと、チェックしておきたいことをまとめました。
給料はラウンジによってかなり差がある
都心の繁華街では、高級クラブのように時給4,000円以上を支払ってくれるラウンジもあります。その一方、スナックに近いアットホームなラウンジでは、スナックと同じくらいの時給1,500〜2,000円前後のラウンジもあるようです。
個人経営のラウンジが多いためか、ラウンジではこうした給与面以外も、店ごとにルールが異なります。給与面だけでなく、ノルマの有無や送迎の有無などを正式に在籍する前に確認しておくのがおすすめです。
知的な話題が求められることも
とくに会員制のラウンジには、企業の重役や経営者、政治家、お医者さんなど、ハイスペックな中高年の方が集う傾向にあります。
なお私が手伝いに行ったラウンジは「在籍する女の子は新聞を読んでいないと駄目」というお店でした。私はネットニュースを確認する程度で、新聞を読んでいなかったのですが、短期間のお手伝いということもあり何とか乗り切れましたが、なかなか大変です。
もちろんカジュアルなラウンジもありますし、どのラウンジでも「新聞を読まないと駄目」と求められることはないと思います。しかしキャバクラに比べると、ある程度社会で活躍している中高年の男性が多く来店しますから、話題についていけるよう準備しておく必要があります。
若者の楽しい合コンのノリが好き・得意という方にラウンジ勤務は、自分の持ち味を発揮できず、楽しく稼げないかもしれません。
ブラックなラウンジに注意
私の在籍していたキャバクラに、セクキャバのようなラウンジで働いたことがあると話してくれた女の子がいました。身の危険を感じてすぐに辞めたそうですが、ママ公認でお触りOK、お客様は下ネタを繰り返し、中にはテーブルの下に潜り込むようなお客様もいるというお店だったそうです。
個人店の水商売のお店の中には、そういったお店もあるという一例です。
一方で、自分のお客様に連れて行ってもらったラウンジに、ママと店長が姉弟という家族経営で、高級店ながらアットホームで雰囲気も居心地も良い、素晴らしいお店もありました。
そこは当然ながらセクハラは無く、働いている女の子達も素敵な方ばかりでした。ラウンジで働くなら、こうした働きやすくて雰囲気の良いお店を見つけて在籍することをおすすめします。
ラウンジは華やかさとアットホームさのあるお店
ラウンジはクラブに比べるとアットホームな雰囲気で、リッチな中高年が集い、ベテランのホステスさんが在籍しているお店です。
会話や所作のレベルは求められますが、働いてみるととても勉強になります。興味がある方は、1日体験からチャレンジしてみてはいかがでしょうか。