どうも、元キャバ嬢のゆきです。
風紀は「社内恋愛のキャバクラ版」みたいなものなのですが、業界未経験の方からするとよくわからないかと思います。しかしキャバ嬢として働いていると、かならず身の回りで起きる出来事ですので、基本的なところは知っておきましょう。
今回はそんな「風紀」について詳しく解説していきます。
キャバクラの風紀とは?
キャバクラの業界では、男性従業員とキャバ嬢が恋人関係になることを「風紀」と言います。
なぜこんな名前で呼ばれているのかというと、シンプルにお店の風紀が乱れるから。そのためキャバクラで風紀はタブーとされている行為のひとつになっています。
とはいえ同じ店で仲間として一緒に仕事をしている男女が恋愛感情を持ってしまうのは、それなりに良くあることです。学生生活ではクラス内や部活内で恋愛が起こり、普通の仕事でも社内恋愛などが起こるように、それはキャバクラでも同様です。
キャバクラで風紀が起こりやすい理由
キャバクラの仕事では、男性従業員(黒服)が女の子からお客様の相談をされたり、トラブルに発展したときに黒服が女の子を守ったりする機会もあるので、余計に男女の仲が深まりやすい環境が整っています。
ボーイごとに何人かのキャバ嬢の管理を受け持つ方針のキャバクラでは、ボーイが責任を持って担当のキャバ嬢のシフトの管理をしたり、モーニングコールをしてあげたりとサポートしてくれるシステムになっているため、前提としてお互いの連絡先を知っている状態なります。
さらには責任感の強いボーイさんだと、女の子がアフターに行った際に「危険な目に遭っていないか」と1時間おきに連絡をくれたりして、そんな関係性から恋愛に発展してしまいやすいのです。
なお男性従業員がホストのように接して女の子を思い通りに働かせようとする状態を「色管」や「色管理」と呼ばれます。「惚れさせて言うことを聞かせる」ということですね。
キャバクラで風紀が禁止される理由
社内恋愛といえば祝福されることもあるものですが、なぜキャバクラでは「風紀」として禁止されるのでしょうか。
その理由についてまとめました。
偏った付け回しをすることに繋がる
キャバ嬢と恋人関係になった男性従業員は、付け回しの仕事を担当する際、自分の好きな女の子ばかりに良客を付けようとする傾向があります。
その女の子が「夢のために貯金したい」と頑張っている子ならなおさら。男性従業員に悪意はなくとも、女の子を応援したい気持ちから偏った付け回しをしてしまいます。
同棲や結婚に向けてなど、2人の新生活のための費用を結託して貯めようとする場合もあります。逆に、男性従業員が嫉妬をして女の子にあまりお客様をつけなくなるという例もあります。
キャバ嬢が真面目に仕事をしなくなってしまう
風紀をしていると、キャバ嬢自身に悪気がなくとも、仕事がおざなりになることがあります。
接客中も彼氏にばかり目がいってしまったり、暇な時間ができると2人で話してばかりいてスマホを確認しなくなったりと、仕事に身が入らなくなるようなケースです。そのキャバ嬢がお客様に対して疑似恋愛のスタイルで接客していた場合、あからさまに接客から真剣さが無くなる可能性も。
これまで恋人感覚で接していたお客様からすると、きっと異変に気づいて離れていきますから、そうなるとお店にとっても損害になるわけです。
特定のキャバ嬢だけ高時給など優遇する
これは私の実体験ですが、勤めていたキャバクラの店長が他店のキャバ嬢に惚れ込んでしまった事件がありました。私を担当してくれていたボーイさんなど、他の男性従業員たちは反対したものの、店長は引き抜きを敢行しました。
- ちなみに風紀だけでなく引き抜きもかなりの問題行為です
そのキャバ嬢は確かに人気嬢で実績もあり、女優さんのように美人な方でしたが、ポイントスライド制の時給6,000円スタートで雇うという贔屓ぶりでした。(私は時給3,500円スタートなのに!!!)
さらにはその女の子の家からキャバクラまでの送迎を、店長のマイカーで自ら行う始末。
これらの出来事が他のキャバ嬢や、店長を雇っている社長にまで知れ渡ってしまい、高額で雇われていたキャバ嬢はクビになって以前の店に戻り、店長もしばらく店を休まされて謹慎処分となりました。
一定期間の後、店長に復帰していましたが、普通ならクビになってもおかしくない事件でした。
キャバクラに揉め事が持ち込まれる
色恋が関係すると、どうしても揉め事が増えるのも難点です。
勤めていたお店の近所にあったキャバクラの話ですが、彼氏との結婚費用を貯める目的でキャバクラで働き始めたキャバ嬢が、ボーイと風紀の関係になって修羅場になったことがあります。
店内で彼氏とボーイが揉めた挙句、お客様の間でも噂になってキャバ嬢は顧客離れを起こし、結局貯金できないまま姿を消してしまいました。結婚の話も流れたそうです。
しばらく後にボーイも飛び、店側も誰も得をしない揉め事に発展しました。
一緒に店を休んだり、飛んだりする可能性がある
両想いになった男性従業員とキャバ嬢が2人でキャバクラを欠勤したり、キャバクラを無断で辞めて飛んでしまうというのはよく耳にする出来事です。
お店の金庫からお金を盗んでキャバ嬢とボーイのカップルで飛んでしまったという話を聞いたこともあります。こういった出来事もあるので、キャバクラで風紀を禁止するのは当たり前かもしれません。
キャバクラの風紀がバレたらどうなる?
次に、実際に風紀がバレたときにどうなってしまうのか解説していきます。
お店の雰囲気が悪くなる
たとえば1人のキャバ嬢だけが男性従業員から優遇されて、高時給で店長のマイカーで送迎までしてもらっているなんて、他のキャバ嬢から不満や怒りが噴出するのは当然ですよね。
そうなると、やはりお店全体の雰囲気が悪くなってしまいます。そのほかの男性従業員からしても「自分たちは真面目に仕事をしているのにふざけるな」と怒って当然です。
実際に風紀がおこっていたとき、接客中はみんなプロとしてにこやかに仕事しているものの、裏では最悪な雰囲気でした……。
わたしがいたお店で店長とキャバ嬢が風紀をしたときは、上記のようにお店の雰囲気が悪くなったので、社長がしばらく店長を謹慎処分にして雰囲気の改善を図ることになりました。
ネットで噂になって誹謗中傷やトラブルの原因になる
「あのキャバクラのボーイとキャバ嬢は付き合っている」という噂は、わりと簡単に流出します。
お客様なのか内側のリークなのか、それはその状況によっても変わりますが、風紀の乱れをネット上に書き込まれるのは比較的よくあることです。
そしてネットだけで言われているのならまだしも、キャバクラに来店し、風紀を乱した女の子に面と向かって暴言を吐くようなお客様もいます。そのキャバ嬢がお客様に色恋営業をかけていて、本気で女の子を好きになっていたとしたら、お客様からすれば最悪な心境です。
なかには「彼氏とグルになって自分を馬鹿にしていたのか」と怒るようなお客様もいましたが、それは当然のお怒りですよね。騙されたと憤慨されても仕方ありません。
万が一そのキャバ嬢が枕営業までおこなっていたなら、さらにドロドロの修羅場になってしまいます。
異動やクビになる可能性もある
お店の雰囲気を悪くして、お客様の気分も害してしまった風紀の当事者たちは、当然ながらクビになる可能性があります。お客様の足を遠のかせたり、在籍している他のキャバ嬢のモチベーションを落として、キャバクラの売り上げに影響が出てしまったのなら尚更ですよね。
仮に仕事面で優秀だった場合、クビは回避できたとしても系列店に飛ばされる可能性はあります。実際に風紀で飛ばされたというボーイの話を聞いたことがあります。風紀が原因で退店し、別のキャバクラで名前を変えてこっそり働いているキャバ嬢もいました。
風紀がバレてしまったら、このようにそのお店では働けなくなってしまう可能性が高いのです。
グレー・ブラックな経営をしているキャバクラの場合、罰金や暴力などが発生することもあると聞きます。
キャバクラの風紀は本人たち以外が得をしない行為である
キャバクラの風紀は避けるべきものとされており、それには相応の理由があります。
とはいえキャバ嬢と結婚して幸せに家庭を築いているボーイさんを2人知っています。いま幸せならそれで良いかもしれませんが、お店側からするとなかなか難しいところです。
少なくとも「長くキャバ嬢の仕事がしたい」「キャバクラの仕事で本格的に稼ぎたい」と思っている方は、風紀は避けると良いでしょう。